家庭用テントサウナで飛躍 「余白の時間」をプロダクトで表現

サウナがブームから文化へと変貌しつつある中、サウナ愛好家から絶大な支持を受けているのが、Vanwavesが開発した家庭用無煙テントサウナ「IESAUNA」だ。BtoB市場も積極的に開拓し、動くホテルとサウナを組み合わせた拠点開発も構想する。

深田 渚央(Vanwaves 代表取締役)

2020年、千葉県八街市で創業したVanwavesは、家庭用無煙テントサウナ「IESAUNA(イエサウナ)」を開発・販売する会社だ。一般的に200万円以上かかる家庭用サウナ市場の中で、都会のマンション等にも設置できる安価で安全なテントサウナを開発、サウナ愛好家から絶大な支持を得て急成長している。

都市住人をターゲットに開発された家庭用無煙テン トサウナ「IESAUNA」

代表取締役の深田渚央氏は1993年生まれ。大手流通小売業子会社のエンターテイメント会社を経て起業した。

「もともと子どものころから漠然と遠い場所に出かけることが好きで、大学生のころは自由に好きなタイミングでできる車中泊スタイルの旅をよくしていました。旅程を全部決めるのではなく、緩やかな思いつきで旅をする。そんな余白を持つことに価値があると信じており、“余白の時間”を事業やプロダクトを通じて表現したいと思うようになりました」。その後、エンターテイメント会社での海外駐在などを通じて多くの経営者と出会い、「人生を自分でドライブしている姿に憧れて」起業を決意した。

幼い頃からの旅仲間でもあった1歳違いの従兄弟とともにVanwavesを設立、まずは「Vanlifeカー」のレンタル事業を立ち上げた。これは「動くホテル」をコンセプトに、居住空間になるようデザインされたバンをレンタルするサービスだ。「バンと一緒に旅のお供としていろいろなグッズをオプションとして貸し出していたのですが、その一つにテントサウナをラインナップに入れたときに反響が大きく、単体の事業として着想を得ました」

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