安全と快適の両立により、日本のクルーズ人口を新たに開拓

世界3大クルーズ会社の1つであるプリンセス・クルーズの日本オフィスであるカーニバル・ジャパン。日本発着の外国客船では乗船客数1位を誇る「ダイヤモンド・プリンセス」の日本発着クルーズを、今春、約3年ぶりに再開した。3年間の取り組みと今後の事業構想を、代表の堀川氏に聞いた。

堀川 悟(株式会社カーニバル・ジャパン 代表取締役社長)

早期のクルーズ再開に向け業界団体を設立

2023年3月、プリンセス・クルーズは約3年ぶりに日本発着クルーズを再開した。同社日本オフィスのカーニバル・ジャパン代表の堀川悟氏は「率直な気持ちとして、嬉しいの一言」と笑顔で語る。日本発着クルーズが止まったのは、2020年2月に横浜港に停泊中のダイヤモンド・プリンセスでコロナの患者が発生したインシデントがきっかけだ。しかし、その後コロナ対策を徹底した上で、翌年夏にはアメリカでクルーズを再開したが、日本やアジアは止まったままだったという。

「時間経過とともに新型コロナウイルス感染症が弱毒化して致死率が下がるという情報は、2021年7月時点でアメリカでは発表されていたので、それをベースに感染症対策を行い、欧米ではクルーズを再開しました。日本では、感染症の分類が2類から5類へ変更されるこのタイミングで運航を再開できることになり、尽力していただいた日本政府には大変感謝しています」

同社はコロナ禍が始まってから、日本に拠点を置く他の外国船運営会社・計5社8ブランドとともに、日本国際クルーズ協議会(Japan International Cruise Committee)を設立。クルーズの早期再開を求めて、厚生労働省や国土交通省と交渉を続けてきた。

「政府がクルーズ再開に関する発表を行った2022年11月は、日本での運航再開を決定するデッドラインギリギリのタイミングでした。現在、プリンセス・クルーズは15隻の客船を保有していますが、ほとんどは事業を進めやすい欧米で行っています。昨年11月までに配船準備が整わない場合、日本は配船エリアから除外される可能性があったので、それを回避できて非常によかったです」

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