変わる訪日客の嗜好 ニーズを掴むための「3つのキーワード」

JTBグループのインバウンド専門会社、JTBグローバルマーケティング&トラベルは、日本におけるランドオペレーターとして圧倒的なシェアを誇り、個人旅行から団体旅行、MICEなど幅広い事業を展開する。阿部一晴取締役に、インバウンド市場の動向と同社の戦略を聞いた。

阿部 一晴(JTBグローバルマーケティング&トラベル 取締役兼執行役員 営業・営業企画・仕入商品企画担当)

富裕層の回復が顕著

――訪日外国人観光客市場をどう見ていますか。

2022年10月の水際対策の緩和から、足元では中国以外の市場は2019年比で7割程度まで回復しています。中でも欧米の富裕層客は、昨年12月の段階で、今春のツアーリクエストが2019年と同レベルに達していました。まさに“リベンジ需要”が起こっています。中国からの入国制限もこの4月に緩和され、日系キャリアも中国便の増便を発表しているため、5月の労働節を契機に中国からの訪日客はどんどん増えていくでしょう。

弊社の販売状況で申し上げると、チャネル別にみると、オンラインだけでなく旅行会社経由のオフラインチャネルも伸びています。入国時のワクチン接種証明書・陰性証明書への提出や、フライトの急な変更やキャンセルへ対応するためにも、旅行会社経由で訪日するという観光客が多いようです。

海外からのフライト受け入れは成田・関西などの主要空港がメインのため、訪日客の訪問先として回復が早いのは東京と大阪を結ぶゴールデンルートが中心となっています。今後見込まれる中国市場の回復とともに、地方便の発着が増えていき、アジア圏からのリピーターが地方に訪れるようになると考えられます。

この3月には政府が新たな観光立国推進基本計画を閣議決定しましたが、弊社としては政府の取り組みも追い風に、ますます活発になるであろう欧米豪を中心とした富裕層のインバウンドに重点的に対応していきたいと思っています。

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