首長が掲げる地域未来構想30 地方創生への自治体の取組(2)

編集部が創刊以来、毎号欠かさず取材してきた知事や市長のインタビュー記事より、注目の構想を抜粋、要約した。

(11)青森県・三村申吾知事

λ(ラムダ)プロジェクト

新函館(仮称)から新青森・八戸方面への新幹線ルートと、新青森から弘前方面への奥羽本線ルートを結んだ形を、ギリシャ文字のλ(ラムダ)に見立てることができることから命名。津軽海峡は“しょっぱい川”に過ぎないと捉え、青森県と道南を一体で考えることで、閉塞状況をブレイクスルーする。例えば、青森の大間のまぐろと北海道のイカを両方楽しむ観光など。(2014年7月号の記事へ)

(12)弘前市・葛西憲之市長

「経営型行政」で市民力を活かす

「管理型」行政から「経営型」行政への転換を掲げる。PDCAサイクルを回して市政運営を見える化し、住民を巻き込むことで、地域の創造力を飛躍的に高めた。地域づくりの主体である市民と連携し、意識を揃え、目的を共有して、一緒に考え、行動すること。変化していく社会情勢や、多様化する市民のニーズにも臨機応変に、柔軟に対応していく。(2014年7月号の記事へ)

(13)北海道・高橋はるみ知事

食産業立国の推進

「食」をより戦略的に捉え、生産・加工・流通・販売に至る総合産業群に育て上げる「食産業立国」を推進。急速に発展するアジアの成長力を呼び込み、経済浮揚の推進力とするため、安全・安心で高品質な道産品、季節や地域などによって様々な輝きを見せる観光など「北海道ブランド」の魅力を積極的に発信し、アジア市場の開拓と、企業の海外展開力の強化を図る。(2012年11月号の記事へ)

(14)三重県・鈴木英敬知事

幸福実感日本一

三重県に経済基盤を構築し、充実した生活を送れる環境を作る。具体的な施策として、今まで対象とならなかった小規模の投資を積み重ね、合計で要件を達成した場合や、設備投資だけでなく人材の異動に対しても補助の対象とする仕組みである、全国初の「マイレージ型投資促進制度」、統合型医療情報データベースを構築する「みえライフイノベーション総合特区」がある。(2013年7月号の記事へ)

(15)和歌山県・仁坂吉伸知事

果樹王国として豊饒な資源を活かす

第1に、「いかに美味しい作物を効率よく作るか」。第2は「販促活動」。中でも一番重視しているのは国内外の専門「見本市」。アジア諸国など、日本製品への選好度の高い海外展開を県が民間を引っ張る形で積極的推進。第3は、「後継者対策」。第4は、「鳥獣害対策」。県が全国で初めて肉の「格付けシステム」作りに取り組み、また「食べる文化」をつくっている。(2014年5月号の記事へ)

(16)大阪府・松井一郎知事

新たな大都市制度

大阪府の松井知事と大阪市の橋下徹市長がタッグを組み、府市一体改革の先に「新たな大都市制度」の導入を見据える。「成長は広域(行政)」、「安心は基礎(行政)」で担うという考え方のもと、2015年度に、新たな大都市制度をつくりあげることを目指す。例えば、府大と市大とが統合することにより、公立大学として全国一の規模となる。(2013年9月号の記事へ)

(17)京都府・山田啓二知事

世界交流首都・京都

古都・京都のもつ知財、ブランド力を強化し、30年後のビジョンとして「世界の交流首都」へと昇華させる構想を展開している。海外から京都に来る留学生6千人を10年ごとに倍増させる「留学生5万人構想」も提唱されている。産業面では、関西イノベーション国際戦略総合特区で、iPS細胞をはじめとしたライフサイエンス分野や新エネルギー分野に集中投資している。(2013年1月号の記事へ)

(18)京都市・門川大作市長

「ものづくり」と「ものがたりづくり」の融合

基礎的な技術力や様々な発想力では日本人は未だに世界をリードしている。しかし、「ものづくり」を「ものがたりづくり」と融合する動きが、今、日本に欠けている。これを京都がリードするため、伝統産業と先進産業、大学の智の集積を融合させ、新産業創出を目指した「知恵産業融合センター」「京都市医工薬産学公連携支援プロジェクト」「技術の橋渡し拠点」を整備。(2013年1月号の記事へ)

(19)岡山県・伊原木隆太知事

マーケティングとカイゼンで変える

「晴れの国」とよばれ、温暖な気候と交通の便に恵まれた岡山県。民間出身の伊原木隆太知事が掲げるマーケティング重視の戦略で、岡山が誇る「主力商品」の販売促進と、国内外におけるブランドの確立を目指す。特に、高品質な農林水産物や、安全で安定した操業環境、安心な居住環境の訴求に力を入れる。(2014年3月号の記事へ)

(20)広島県・湯﨑英彦知事

イノベーティブ人材を集め、成長産業育成

MBAやMOTなどの取得を想定し、県内中小企業が、成長分野への事業展開のために国内外の研修等へ社員を派遣する場合、年間最大400万円までを補助(イノベーション人材等育成事業補助金)。個人では、国内研修の場合年120万円、海外研修の場合年240万円を貸し付け、修了後、8年間、県内企業に就職した場合は全額返還免除する(未来チャレンジ資金)。(2013年4月号の記事へ)

 

  1. 首長が掲げる地域未来構想30 地方創生への自治体の取組(1)
  2. 首長が掲げる地域未来構想30 地方創生への自治体の取組(3)

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