産業振興を進め、幸福実感日本一の県へ

最年少知事として注目を集めて2年。「幸福実感日本一」を旗印に、斬新な経済政策でその手腕を発揮する。今年は神宮式年遷宮を控え、県のブランド力強化にも一層力が入る。

――三重県では「幸福実感日本一」を掲げていますが、県民の幸福度を上げる意味でも、産業の振興は不可欠だと思います。

おっしゃる通りです。シンガポールでは、1965年に35歳の若さで就任した李光耀初代首相が、「国家の役割は国民を食べさせることだ」と説き、その後の経済繁栄を成し遂げました。

私も、三重県に経済基盤を構築し、充実した生活を送れる環境を作ることが一番の使命だと考えています。いわば、経済基盤の整備は、「幸福実感日本一」の大前提です。私は就任以来、経済政策にはとりわけ力を注いできました。その成果のひとつが、昨年7月にまとめた「みえ産業振興戦略」です。

――戦略の策定にあたり、どんな課題が見えてきたのでしょうか。

三重県は、11年度の製造品出荷額等の統計で、全国9位の9.5兆円。これを人口一人あたりに換算すると、全国一位です。それだけ製造業に強い県なのです。従業者数でみても、3人に1人が製造業に従事しています。戦略の策定にあたり、約半年間で県職員が1052社を直接訪問し、さらに県内外約5000社の企業にアンケートをお願いしました。その調査で浮上してきたのは、三重県が抱える3つの課題でした。まずは、付加価値率が低く、利益が少ないこと。そして、海外との取引や提携関係が進んでいないこと。さらには、企業間や大学との連携の比率が低いことです。これらの原因は、長らく続いてきた垂直下請け構造にあります。技術力のある中小企業は多いのですが、元請け企業からの要求に応じてコストダウンを図ってきた結果、付加価値を高める独自の製品づくりが進んできませんでした。

また、自動車、電子デバイス、化学の3分野への偏りも大きな問題です。今後、県内の経済基盤を強固にするためには、産業の多様化を図り、特定業種が傾いても三重県全体が沈下しないような産業ポートフォリオを考えていく必要があると実感しました。

全国初のマイレージ型投資促進制度を創設

――産業の振興、多様化に向けて、どんな動きがありますか。

みえ産業振興戦略をもとに13 年度から新たな企業投資促進制度を創設しました。従来の制度は、例えば150億円以上の巨額の投資に補助金を付けるという形のもので、大企業の誘致に効果を発揮しました。ただ、直近5年間の動向を見ると、県内企業の投資傾向はかなり様変わりしています。07年度時点では、5億円未満の投資が4割だったのですが、11年度では6割となっています。私たちは三重県の経済基盤を強くし、雇用を守り、税収を確保することが目的です。であれば、もっと積極的にこうした投資を行う企業を支援するべきではないかと。そんな発想から新たな投資促進制度の運用を始めました。

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