別府市・長野恭紘市長 現代版湯治で、世界のウェルネス産業を牽引

観光業を筆頭に、第三次産業が産業構造の約82%を占める別府市。コロナ禍による負の影響が残る中、「地域を磨き、別府の誇りを創生する」というビジョンを掲げ、観光産業を核にした地域活性化構想に取り組んでいる。現在同市が注力する施策と今後のビジョンについて、長野別府市長に聞いた。

長野 恭紘(別府市長)

地域資源を活かして
「儲かる別府」へ

――現在、「第4次別府市総合計画」(2020~2027年度)を推進されています。市が目指す将来の姿と、現状の取組や課題について聞かせてください。

本計画では「地域を磨き、別府の誇りを創生する」というビジョンを掲げています。別府市は豊富な温泉と豊かな自然に恵まれ、日本有数の観光都市として古くから多くの観光客を受け入れてきました。また、留学生や障がいを持つ方など、多様な背景の人々が共生するまちでもあります。人は最も重要でかけがえのない財産であり、才能ある人がフルスイングできるような場所づくりをしっかりやっていきたいと考えています。

そうした認識のもと、本計画では地域の宝である温泉や歴史、伝統、文化、産業を徹底的に磨き上げ、今あるもので勝負をするという戦略を描きました。昔からこの地にあるもの同士を掛け合わせて化学反応を起こすことで、新しい価値を創出することが地方創生の根本的な考え方です。その結果、将来にわたって市民が幸福を実感でき、別府の誇りを将来の世代に引き継いでいけるまちにしていくことが重要です。

一方、最大の課題は基幹産業である観光で稼げていないことにあります。別府市は、観光業をはじめとした第三次産業が産業構造の約82%を占める町であり、新型コロナウィルスの影響は多大なものでした。しかし、2023年春頃からようやく回復基調に入り、2024年は総合戦略の基本目標に掲げる「儲かる別府」へと一気にアクセルを踏んでいきます。

湯けむりがあちこちから立ち上る別府温泉街

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