エンタメ産業の「想像力」が世界を変える SFが動かすビジネスと政策

SFの発想を企業戦略に活用する「SFプロトタイピング」が世界的な広がりを見せている。大手コンサルがSF作家を起用し、中国ではSFを国家産業として制度化する動きも。アニメ・漫画という強力なSF資産を持つ日本も、その想像力を戦略に活かす回路の構築が急務だ。

世界のコンサルが
SF作家を雇う時代

SFの発想をビジネスに応用する「SFプロトタイピング」は、2009年にインテルのフューチャリスト、ブライアン・デイビッド・ジョンソンが提唱して以来、世界的に広がりを見せてきた。筆者も日本で「SF思考」としてこの考え方をメソッド化し、推進してきた一人だが、近年の海外の動向を見ると、そのスケールと多様性には目を見張るものがある。

図1 SF思考のモデル


SF思考は、未来像を作成し、それを表現するSFプロトタイピングと、生まれたフィクションを現実のビジネスのために使い、可能性を実現していくSFバックキャスティングから構成される。

出典:宮本道人『古びた未来をどう壊す? 世界を書き換える「ストーリー」のつくり方とつかい方』(光文社)p142より

 

2024年、ボストンコンサルティンググループの戦略研究所(BCG Henderson Institute)は、世界経済フォーラムを通じてSFを企業戦略に活用する6段階のプロセスを提唱した。企業のメンタルモデル――つまり固定化した思考の枠組み――を打破するために、SFの世界観に没入し、既存の延長線上にはない未来を構想するのだ。コダックがデジタル写真の台頭を知りながらアナログに固執して衰退した例を引き、「想像力の欠如こそが企業にとって最大のリスクだ」と警鐘を鳴らしている。

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