政府が「医療DX推進本部」を新設 データ活用ビジネスの好機

政府は2022年10月に「医療DX推進本部」を新設、パーソナルヘルスレコード(PHR)の利活用を中心としたデータヘルス改革を加速する。全国医療情報プラットフォームの創設をはじめとする政府の施策動向や、デジタルヘルス市場の動きを紹介する。

 

2022年10月12日、医療DX推進本部を開催する岸田総理(首相官邸HPより)

医療DX推進本部の設置
全国医療情報PFが創設へ

政府は2022年10月、医療分野でのDXを通じたサービスの効率化・質の向上を実現するために、内閣に「医療DX推進本部」(本部長:岸田総理)を新設。デジタル庁、厚生労働省、総務省、経済産業省との連携のもとで、自民党の「医療DX令和ビジョン2030」や骨太方針2022で示された、全国医療情報プラットフォームの創設、電子カルテ情報の標準化、診療報酬改定DXの3つの施策を推進する。2023年春に工程表が策定される予定だ。

そもそも、政府がデータヘルス改革を開始したのは2017年のこと。以降、生活者が自身の保健医療情報を把握できるようにするとともに、患者本人が閲覧できる情報については、医療機関等でも閲覧可能とする仕組みを整備してきた。具体的には、マイナポータルを通じた予防接種歴の提供や乳幼児健診結果の提供などが実現している。また、使用した薬剤情報や特定健診の結果情報などのレセプト情報についても、マイナポータルを通じ国民本人、及び本人の同意の下での医療機関等による閲覧が可能となっている。さらに、2023年3月末までには全国の概ね全ての医療機関及び薬局が「オンライン資格確認等システム」で接続され、データ活用の下地が整いつつある。

しかし、本人の同意の下で情報を共有する主体は医療機関及び薬局のみに限られ、共有される情報の種類も限定的なことが課題だった。そこで、新た創設される「全国医療情報プラットフォーム」では、オンライン資格確認等システムのネットワークを拡充し、レセプト・特定健診等情報に加え、予防接種、電子処方箋情報、自治体検診情報、電子カルテ等の医療(介護を含む)全般にわたる情報を共有・交換できる仕組みを構築する方針だ。情報の提供・共有を行う主体については、医療機関・薬局に加え、自治体や介護事業者等への拡大を検討する。

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