フィールドワークを通じ 総合防災の研究を深める

フィールドワークを通じ
総合防災の研究を深める

防災をテーマに事業構想を研究する「総合防災共創イノベーションプロジェクト研究(第2期)」が5月に開講した。11月4日には1期生との合同フィールドワークとして、埼玉県春日部市にある地域の治水施設「首都圏外郭放水路」を見学した。担当教員である事業構想研究所の森井理博客員教授の解説のもと、研究員は防災インフラの役割と社会的価値について理解を深めた。

参加した研究員からは、「防災施設の社会的役割を再認識でき、今後の研究に活かしていきたい」「監視や水位管理の自動化により、人が常に介在しなくても機能する点が印象に残った」といった声が寄せられた。現地での学びを通じ、防災を特定の専門領域としてではなく、社会生活と地続きの課題として捉え直す貴重な機会となった。

フィールドワーク後は1期・2期の合同研究会を開催した。1期生が自身の構想計画をどのように現場に落とし込み、実装へ進めているのかを発表し、構想を形にする過程で直面した課題や協働の工夫が共有された。さらに、2期生の構想に対して1期生から多面的なアドバイスが寄せられ、2期生は自らのテーマをより広い文脈で捉え直す契機となった。

続いて、フィールドワークからの気づきについてディスカッションを行った。1期生からは昨年度の能登でのフィールドワークの経験も語られ、現地で人々の声を聴く重要性と、地域課題を自らの構想に結びつける視点が強調された。

現場のフィールドワークによる気づきと多様な視点のディスカッションを通じて、防災を起点とした新たな共創が期待される。

地域の治水施設である「首都圏外郭放水路」を見学し、防災インフラの歴史と役割について議論した

セカンドライフ構想
三井住友信託銀行の挑戦

事業構想研究所は、ミドルシニア層を対象とした「Second Life-Design プロジェクト研究」を開講した。その初の試みとして、三井住友信託銀行の1社型プログラムが9月1日にスタートした。

同行は創業100周年を迎え、「挑戦」をテーマとする中、人事制度が自律的な成長と「選び・選ばれる関係」を重視する未来志向へと大きく変化している。この変革期において、ミドルシニア層のベテラン社員に対し、新たな学び直しが必要と判断し、本プログラムの導入を決めた。

参加研究員は、法人事業、個人事業、投資家事業、不動産事業、マーケット、経営管理、調査部門など、多様な部門のメンバーで構成されている。担当教員は、ライフキャリアも研究する、事業構想研究所の原尻淳一客員教授だ。

三井住友信託銀行 人事部の青柳克哉氏は、プログラム開講に際し、「本プログラムは、経験豊富なマネジメント層やプロフェッショナルスキルを持つベテラン社員が、副業的な学びや多様な価値観の体得を通じて、同行の事業と社会の活性化を図り、イノベーションへの挑戦行動を支援するとともに、将来のキャリア選択をサポートすることを目的とし、期待します」と、期待のエールを送った。本プログラムは翌年3月までの半年間で実施され、最終的には事業構想計画書を策定して修了となる。

なお、事業構想研究所は「Second Life-Design プロジェクト研究」の複数社型を2026年5月に開講予定だ。

「Second Life-Design プロジェクト研究」が三井住友信託銀行の1社型プログラムとして初開講(開講式の様子)

 

プロジェクト研究

プロジェクト研究は、事業構想大学院大学 修士課程のカリキュラムのエッセンスを活かし、研究参加者の新たな事業構想と事業計画構築を行う1年間の研究会です。

担当教授が1年間を通じて、多彩なゲストを招きつつコーディネートとファシリテーションを行い、研究員の知見を高めながら推進していきます。

プロジェクト研究 概要

研究会:定例研究会(1回4時間、隔週24回開催、共同研究会年6回)等

形式:テーマ型/一社型

目的:新規事業、既存事業の再構築、地域活性などの構想・構想計画構築

定員:10〜15名

主担当教員:事業経験豊富な実務家教員

事業構想セミナー・説明会

セミナー、プロジェクト研究の説明会を実施しています。

事業構想セミナー
「構想力で拓く、ミドル・シニア人材の新たな価値発掘」
12/11(木)13:00~14:00 オンライン ・藤沢 卓己 氏
(三井住友トラストグループ株式会社執行役常務 CHRO)
・松江 英夫
(社会構想大学院大学 教授・事業構想大学院大学 客員教授)

詳細・申込は事業構想大学院大学公式ホームページより