愛媛県・中村時広知事 未来志向で「愛顔あふれる愛媛県」を実現

愛媛県は2040年に人口が105.9万人に減少し、全人口に占める65歳以上の割合は39.6%になると予想されている。急激な人口減少と高齢化に歯止めをかけるため、中村知事は2023年度から取り組む新総合計画において難易度の高いKGIを定め、人口構造の若返りを目指して全力の挑戦を続けている。

中村 時広(愛媛県知事) Photo by 毎日新聞社/aflo

「人」分野を総合計画の根幹に
据え、人口構造を若返らせる

――2023年度より新たな総合計画に取り組まれていますが、そのビジョンと重点施策についてお聞かせください。

2023年6月に策定した「愛媛県総合計画~未来につなぐ えひめチャレンジプラン~」では、2040年の目指すべき愛媛の将来像として「若者をはじめ、県民誰もが自らの希望を実現でき、安全・安心で豊かな人生を送れる持続可能な愛媛県」を掲げ、「人」「経済」「暮らし」の3分野(図)の政策・施策ごとに設定した難易度の高いKGI(重要目標達成指標:(例)2026年の出生数8500人の確保、1人当たり県民所得のアップなど)の達成を目指して、全力で挑戦を続けているところです。特に、全ての分野に影響を与える「人」分野を総合計画の根幹に据え、将来的に人口構造を若返らせるため、出生数の反転増加に効果が見込まれる事業については、躊躇することなく実行に移しています。

図 愛媛県総合計画の方向性

出典:愛媛県

 

これまでに、結婚支援センターによる出会いの場の創出や、民間企業と連携した紙おむつクーポンの配布、官民共同で立ち上げた子どもの愛顔応援ファンドを活用した子育て支援等を実施してきました。さらに2023年度から、各市町が地域の実情に応じて実施する子育て支援を強力にバックアップするための「えひめ人口減少対策総合交付金」および、女性活躍の推進と、仕事と子育てを両立できる環境を整えていく新たな「ひめボス宣言事業所認証制度」を創設するとともに、人口減少対策に対する社会全体の機運醸成を図るため、「100万人の愛顔(えがお)に会いたいキャンペーン」をスタートさせました。

このほか、デジタル人材の育成やDX関連企業の県内誘致をはじめ、移住の一層の促進や、中高生の職業体験等を通じた若者の県内定着の促進などにより、急速な人口減少に歯止めをかけるべく力を注いでおり、引き続き、市町や民間企業等と力を合わせた「オール愛媛」体制の下、積極果敢に施策を展開し、この難局を乗り越えていきたいと思っています。

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