道後温泉 最古の温泉地を、最先端のアートで活性化

日本三古湯のひとつに数えられる松山市の道後温泉。そのシンボルにもなっている「道後温泉本館」の保存修理後期工事期間に合わせて、アートを取り入れたまちづくり事業が展開されている。3カ年計画の最終年度を迎えたいま、プロジェクトの成果や工事完了後の展望について、市の担当者に聞いた。

左より、松山市産業経済部道後温泉事務所 活性化担当課長 兵藤一馬氏、活性化担当主任 清水敏樹氏

道後温泉本館の工事による影響を
アートによる賑わいでカバー

愛媛県松山市は、日本を代表する俳人・正岡子規の故郷である文学のまち。夏目漱石「坊っちゃん」の舞台にもなった道後温泉は「日本書記」にもその名が登場するほどの歴史と伝統のある温泉観光地である。

その中心に鎮座する道後温泉本館は、明治27(1894)年に改築された公衆浴場だ。

「当時、道後湯之町の初代町長だった伊佐庭如矢氏が、『100年先にも、他所が真似できないものをつくってこそ、ものをいう。人が集まることで町の暮らしもよくなる』と、莫大な予算をかけて木造三層楼の湯屋へと改築したそうです。思惑通り、観光地として長く賑わったわけですが、近年は施設の老朽化が進み、大規模地震等に備え、本館の歴史的・文化的価値を次代に維持・継承するため、130周年の節目に向けて保存修理工事を進めることになりました。そして、2019年から始まった工事が地域経済に与えるマイナスの影響を緩和できればと、2014年から取り組んでいるアートによる賑わいづくりと、保存修理工事そのものをお楽しみいただけるプロジェクトに取り組むようになりました」と松山市産業経済部道後温泉事務所の兵藤一馬活性化担当課長は語る。

本館保存修理の後期工事期間に合わせて、2021~2023年度までの3カ年の事業として始まったのが、未来へつなぐ道後まちづくり実行委員会が主催する「みんなの道後温泉 活性化プロジェクト」だ。これまで多くの芸術家が創造力を羽ばたかせ、熱を放出してきた道後温泉というまちから、再び「アート×人×温泉」の熱量で、地元はもちろん、日本を、世界を温めたいという想いを込めて、「stay hot, stay creative」というコンセプトを掲げた。

「みんなの道後温泉 活性化プロジェクト」にアート活用を提案したのは、スパイラル(株式会社ワコールアートセンター)だ。同社は、過去には本館改築120周年記念に開催された「道後オンセナート2014」をプロデュース。2014年の同イベントでは本館をアート作品へと変貌させたほか、草間彌生、荒木経惟、谷川俊太郎、石本藤雄といった著名アーティストの手で9軒のホテル・旅館の各一室を泊まれるアート作品群「HOTEL HORIZONTAL」へと変えた。

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