サイボウズ 自然と情報が集まるオフィスは地域のハブ

クラウドサービス「kintone(キントーン)」や中小企業向けグループウェア「サイボウズOffice」などで 知られるサイボウズ。一時期は創業の地である愛媛県松山市を離れたものの、社員の多様な働き方を支援するべく、2008年に松山オフィスを開設し、地域のネットワーク力を生かした事業を展開している。

久保 正明(サイボウズ ローカルブランディング部 部長)

社員の定着率向上のため
創業の地・松山に拠点開設

1997年8月8日、松山市にあるマンションの一室でサイボウズは誕生した。創業メンバー3名のうちの1名は代表取締役社長の青野慶久氏だ。最初に手掛けた製品はスケジュールなどの情報共有のためのグループウェア「サイボウズ Office 1」で、インターネット販売のみという、当時としては画期的な戦略を取った。その後、本社機能を大阪や東京に移しながら商品ラインナップを拡充し、2006年には東証一部上場を果たす。

業績は好調だったが、人材面では苦労が多かった。一時期は離職率が28%にまで達したため、この状況を打破しようと「100人いたら100通りの働き方」があってよいとの考えのもと、多様なワークスタイルに対応できる体制づくりを推進した。

そういった改革のなかで打ち出した施策の1つが松山での拠点開設だった。ローカルブランディング部の部長を務める久保正明氏はこのときに拠点開設の責任者として入社している。

「東京は人材の流動化が激しいので、腰を落ち着けて働いてくれる人たちを集めるには地方に拠点を構える方が良いという判断でした。数ある候補地のなかで松山に決めたのは創業の地だけにいろいろなご縁があり、支援も充実していたからです」

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