鹿嶋パラダイス 完全自然栽培農業とクラフトビールで世界へ進出
化学肥料はもちろん、有機の堆肥や肥料も使用せずに、完全自然農法で米や麦、野菜を生産し「この世にパラダイスをつくる」ことを目標とする異色の農業法人、鹿嶋パラダイス。彼らの目指すパラダイスとは、衣食住、エネルギーの全てを持続的で快適なものへと変えていくことだと、代表の唐澤氏は語る。
自然栽培に魅せられ、
YouTubeで水稲を学ぶ
鹿嶋パラダイス代表の唐澤秀氏は、静岡県浜松市の出身。明治大学農学部を卒業後、茨城県古河市の農業生産法人に就職した。
「サラリーマン時代は契約農家の栽培指導や商品開発、営業として9年間、全国の生産農家を周りながら人脈づくりに励みました。そこで自然栽培の農家さんとの出会いがあり、大豆などを植えて、根気良く土壌を変えていけば、とても美味しい作物が育つことを教わりました。畑には本来、根粒菌などの様々な菌類が土壌に棲みついています。しかし、そこに肥料を入れることで、畑の生態系は根底から壊れてしまいます」
除草剤で雑草を枯らすことも、かえって土壌を荒らしてしまうという。雑草には、アルカリ性や酸性が強い元来の地質を、程良い中庸へと作用させる役割がある。そのため、肥料や除草剤の使用は、土壌自体による自律的な窒素の循環システムを結果的に破壊してしまうのだ。
「自然栽培とは、本来の畑や田圃の生態系に戻すことを意味します。僕らの圃場では、麦と大豆を栽培することで、生育可能な土壌へと再循環させています。麦の根が土を柔らかくし、大豆が土中の根粒菌を増やしていきます。言うならば、麦で耕し、大豆で肥料を与える、といったやり方ですね。でも、それには膨大な時間とコストが掛かります。私が以前勤めていた会社では、取り組みたくても稟議は通りませんでした」
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