国境を越え人気のwebtoon 日本発マンガ作品を世界へ

スマートフォンやタブレットで楽しめる電子コミックサービス「LINEマンガ」。アプリのダウンロード数は5000万を超えた。2020年にはグローバルの電子コミック市場で圧倒的な存在感を誇るWEBTOON Entertainmentの傘下に入り、日本発のマンガ作品が世界でヒットする素地も整いつつある。

髙橋 将峰(LINE Digital Frontier代表取締役社長CEO)

スマホにあわせたフォーマット
マンガ市場を拡大する戦力に

日本人にとっての娯楽の王様といえるマンガ。スマートフォンで作品が配信されるようになり、スマホアプリはマンガの巨大メディアとなった。スマホアプリでマンガが読めるサービスの先駆けとして、LINE社は2013年に「LINEマンガ」のサービスをスタート。コミュニケーションアプリとマンガの親和性の高さを生かして急成長を遂げた。

その後、2018年に「LINEマンガ」部門がLINE社から独立してLINE Digital Frontierとなり、2020年には、グローバルの電子コミック市場で圧倒的シェアを誇るプラットフォームサービスを運営する、米WEBTOON Entertainmentの傘下に加わった。

「韓国のマンガ市場がゲーム市場に押されて危機的状況にある中、webtoonというスマートフォンに適したデジタルコミックが生まれたことで、マンガが息を吹き返しました。『LINEマンガ』としてもwebtoon作品の拡大によって差別化を図り読者を増すため、そして日本の作品のグローバル展開に繋げるためにグループ入りを決めました」とLINE Digital Frontier代表取締役社長CEOの髙橋将峰氏はその経緯を説明する。

webtoonの最大の特徴は、マンガのスタイルを紙の誌面から解放し、スマートフォンなどでの読みやすさに特化した、カラーの縦スクロール形式を採用した点。横読みのマンガは、慣れないとコマを追う順番が分からないという海外からの声もあるが、縦スクロール形式であればその心配はない。調査会社のQYResearch社は、webtoonの世界市場は2023年は39.7億ドルであり、これが2029年には約193億ドルになると予測している。

現在、「LINEマンガ」では縦スクロール形式のwebtoonと、横読みのマンガが併存している。この2つの形式は将来どうなるのだろうか。髙橋氏は、「ゲーム業界では、専用ハードを使って楽しむ世界がもともとあったところに、スマホ上で楽しむソーシャルゲームが入ってきてユーザーの幅が広がりました。どちらかがどちらかの市場を奪ってしまうということではなく、電子コミックの世界でもゲーム業界と同じようなことが起きていると言えるでしょう」と、縦スクロール形式が加わったことでマンガ市場の拡大に貢献していることを強調する。

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