文化的な背景の違いを乗り越えて オタク文化を世界に届ける

アニメやマンガなどを含む日本のコンテンツ「クールジャパン」。海外進出で成功した事例がいくつも出ている一方で、まだ需要に応えきれていない部分もある。イベント運営や海外企業とのマッチングなど、オタク系コンテンツのビジネスに詳しいContents Construction代表の加藤貴洋子氏に聞いた。

加藤 貴洋子(Contents Construction代表)

クールジャパンをリブート
コロナ禍を経て新たなフェーズに

2010年代に経済産業省が政策に盛り込んだことで、広く知られるようになったクールジャパン。2019年の「クールジャパン戦略」で更なる盛り上がりが期待されたが、コロナ禍となって海外との往来が途絶え、インバウンドが低迷するなど大きくダメージを受けた。しかし、その間もコンテンツの制作は続き、映画版『THE FIRST SLAM DUNK』のロングラン大ヒットや、『君たちはどう生きるか』『ゴジラ-1.0』の米国アカデミー賞受賞など、日本初の作品群が世界にその名を轟かせている。

内閣府知的財産戦略本部は2024年6月に「新たなクールジャパン戦略」として、クールジャパンの「リブート(再起動)」を掲げた。対象には食やエコツーリズムなど多様なジャンルが含まれているが、クールジャパンと言えばやはりマンガやアニメといった日本が強みを有するコンテンツが原点にして王道だ。加藤貴洋子氏が代表を務めるContents Constructionはそのなかでも「オタク」と呼ばれる分野を中心に事業を展開する。

「私自身がもともとオタクなんです。幼少期から『聖闘士星矢』や『ガンダム』などが好きで、さまざまなオタク系コンテンツに触れてきました。学生時代には趣味を同じくする友人が海外にも増えて、海外のアニメイベントを手伝うなど、いまの仕事につながるような活動をしていました」。

大学卒業後に勤務した企業では社長の理解のもと、社内ベンチャーのような形で海外イベントの支援事業を手掛け、その後、独立を果たした。学生時代から数えれば20年以上にわたって、この分野に携わっている。

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