編集部総論・メディアの新ビジネス 堅牢で楽しいエコシステムをつくる
情報メディアは現代社会のライフラインとして欠かせない存在だ。急速に進化するデジタル技術とともに、情報の信頼性や安全性に新たな課題が浮上している。今回の特集では、情報インフラ強靭化・偽情報への対応などとともに、日本発の優良コンテンツの創出や海外展開の方策を探る。
現代の社会生活において、情報メディアの存在は欠かせない。正確な情報をタイムリーに取得し、他人とコミュニケーションを取り、また日々の楽しみや自己啓発の機会を与えてくれるものでもある。紙に印刷するものからラジオ、TV、ネットまで、様々な種類の情報メディアがあるが、情報量の面から見た現在の主役はデジタルベースのメディアだ。デジタルメディアは、技術の進歩を反映し猛スピードで進化しており、多くの新ビジネスを生み出してきた。
今回の特集ではまず、社会のデジタル化を受けて事業領域を大きく広げようとしているdentsu Japanの佐野傑CEOに、ビジネスモデルの転換への挑戦についてインタビューした。さらに、①ライフラインである情報メディアを安心して・いつでも使える体制、通信インフラづくりと、②日本発の優れたコンテンツ創出とそのビジネス化、の2つの柱で、今後のメディア・ビジネスを考える。
正しい情報をいかに受発信するか
能登半島地震が示した危機
インターネットでやり取りされる情報の量を示すトラヒックは年々増えている。国内のブロードバンドサービス契約者の総ダウンロードトラヒックは、新型コロナウイルス感染症の発生後に急増。コロナ後も増加を続けており、2023年5月から2024年5月までに約2割増となっている(図1)。スマートフォンをはじめとする移動通信の総ダウンロードトラヒックも増え続けており、2023年6月からの1年間で約1割増えた。
図1 ブロードバンドサービス契約者の総トラヒック(推定値)[Gbps]
インターネットの使用状況を示す、ブロードバンドサービスのトラヒックは毎年約20%の割合で増加している。移動通信のトラヒックも伸びており、社会のネットへの依存度は年々高まっているといえる
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