官民一体で世界市場へ 日本の知的資産活用の新しい戦略を策定
アニメやマンガを中心に日本のコンテンツに対する人気が世界的に高まっており、外国人に日本への興味を喚起する入り口にもなっている。政府は、2024年6月に「新たなクールジャパン戦略」を策定した。成長が見込まれる世界のコンテンツ関連産業で日本の存在感をさらに高めるべく、官民を挙げて取り組む。
成長するコンテンツビジネス
輸出は鉄鋼産業に迫る勢い
日本政府は、コンテンツ関連産業の成長性に着目し、10年以上にわたって政策的にその振興に挑戦してきた。2012年にクールジャパン戦略担当大臣を設置、2019年には「クールジャパン戦略」が発表され、日本の魅力の発信、関連産業の海外展開や輸出拡大、日本を愛する外国人ファンの増加などを通じた、総合的なブランド力の向上を目標とする施策に取り組んでいる。
コロナ禍を経て日本発のアニメやマンガの人気が高まり、ゲームはデジタル配信の活用によりさらに市場が広がっている。ゲームを原作としたアニメ・映画がヒットし、訪日外国人がアニメ作品などに登場した場所や原作者の出身地などをめぐる「ゆかりの地めぐり」も盛んだ。
「政府が定義するクールジャパン関連産業は、コンテンツ(アニメ、マンガ、音楽、ゲーム、実写作品)だけにとどまらず、インバウンド、農林水産物・食品、ファッション(衣料)、ビューティ(化粧品)も含まれます。2023年の輸出額はこれら5領域で19.1兆円、うち4.7兆円をコンテンツが稼ぎ出しています」と、内閣府知的財産戦略推進事務局次長の守山宏道氏は説明する。コンテンツ分野の輸出額だけでも、既に鉄鋼産業(5.1兆円)に迫る勢いだ。また、世界のコンテンツ市場の年平均成長率は、アニメ、映画で30%、マンガ、音楽では約10%となっており、全業種平均の3%を大きく上回っている。
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