デジタルメディアの課題 創造のエコシステムをAIから守る

ChatGPTの登場以降、急激な速度で世界に浸透したAIの活用。メディア界や芸能界では新たなクリエイティブの可能性が拓かれた反面、従来の創造のエコシステムが破壊されるリスクが指摘されている。デジタルメディアとAIにはどのような課題があり、その解決のために何を考えていくべきなのだろうか。

 

福井 健策(骨董通り法律事務所 代表パートナー)

AIの浸透とともに、トラブルに
巻き込まれるケースが増加

AIが世間に浸透し始めて以降、漫画家やイラストレーターが生成AIにコンテンツを無断学習され、本人の関知しないところで商用利用されたり、声優の声が無断使用された動画がネットに出回るなど、クリエイティブ産業の人々がトラブルに巻き込まれるケースが相次いでいる。近年、このような話が突如出てきたと感じる人も多いだろうが、「数年前には考えられなかったことではなく、予想できた範囲のことが起きている」と、著作権法やエンタテインメント法を専門とする骨董通り法律事務所代表の福井健策弁護士は語る。

「日本で最初に生成AIや知的財産・権利についての政府の委員会が立ち上がったのは2015年で、先進国の中でも早い方でした。もう約10年前で、少なくとも当時、AIの進化は注目されており、人間の創造面の代替も起き始めていました。世間が本当の意味で騒ぎ始めたのはChatGPTなどが登場してそれが加速化した頃からですが、それまで社会やエンタメ業界には準備し備える時間はあったように思います」

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