光を熱に変える新素材 住友金属鉱山「SOLAMENT」

住友金属鉱山の「SOLAMENT」は、可視光を透過させながら太陽光に含まれる近赤外線を吸収・遮蔽する微粒子素材だ。既存技術をデザインの力で成長する事業へと転換させた住友金属鉱山とアクセンチュア ソング Droga5の3人の当事者から開発ストーリーを聞いた。

石橋佳祐 住友金属鉱山株式会社 機能性材料事業本部イノベーション戦略統括部 チームリーダー(中央)。大塚智 アクセンチュア株式会社 ソング本部 Droga5 Creative Director(左)。佐藤充 同 Group Strategy Director(右)

創業400年超の企業が発明した
レアメタル由来のナノテクノロジー

「当社は創業1590年で、プライム市場で二番目に古い会社になります」と語るのは、住友金属鉱山の機能性材料事業本部イノベーション戦略統括部の石橋佳祐氏。同社の主な事業は、鉱山開発・運営を行う「資源事業」、採掘した鉱物資源から高品質な金属素材を生み出す「製錬事業」、そしてその素材に時代が求める新たな価値を付加する「材料事業」の3つだ。

石橋氏は3つ目の材料事業に従事。「事業企画の仕事に専念できる会社に行きたかったので、当社に2022年に転職しました。ここは特定の製品に縛られず、やりたいこと起点で考えられる部署なのです」。

「SOLAMENT」は、酸化タングステンを中心としたナノ微粒子からなる金属化合物で、太陽光の42%を占める近赤外線を吸収する能力を持つ青い粉だ。2004年に同社が独自開発した素材で、主に自動車の窓ガラスに使われてきた。

SOLAMENTは青い粉で化学製品や自動車窓等の遮熱フィルムとして活用されているナノ微粒子素材。2024年度グッドデザイン賞を受賞

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