大山甚七商店 地域性あふれる酒造りで、新たな市場に挑戦

大山甚七商店は、薩摩半島の最南端に位置する指宿市で本格芋焼酎を造る蔵元だ。創業は1875年。約150年の歴史を持つ老舗として、数々の銘焼酎を造り続ける一方、時代に即した新商品開発にも挑戦している。代表取締役社長の大山修一氏に、伝統を守り続ける想いと、今後の成長戦略を聞いた。

大山 修一(有限会社大山甚七商店 代表取締役社長)

根強いファンを持つ本格焼酎
酎ハイ流行の陰では苦戦も

大山甚七商店が蔵を構える指宿市は、暖流の影響で、平均気温約19度と温暖な気候に恵まれた地域だ。同社の芋焼酎は、南薩の肥沃な大地に育まれたさつまいもを原料とし、仕込水には、国土交通省「水の郷百選」に選ばれた唐船峡にほど近い宮ヶ浜に湧き出る地下水を使用。焼酎の旨味成分が口いっぱいに広がる柔らかな味わいが特徴で、「味も造りもしっかりしている」と往年のファンから根強い人気を誇っている。

大山甚七商店の外観

「大山呉服店を前身とする大山甚七商店は、呉服と布団を取り扱う傍ら、富久泉という銘柄の芋焼酎の製造販売を始めました。それ以来、数々の銘焼酎を造り続けています。私は『家業を継ぐつもりはない』との思いで、いったん地元を離れていましたが、病に倒れた先代に代わり、24歳で社長に就任しました」と、同社の5代目で、現代表取締役社長の大山修一氏は語る。大山氏は約40年にわたり伝統の味を守り続けてきたが、その道のりは決して平坦ではなかった。

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