AIであぶり出す経済安全保障リスク 事前分析でピンチを減らす

経済安全保障の重要性がますます高まる中、FRONTEOではAIを用いたリスク可視化ソリューションを立ち上げた。膨大なデータをネットワーク解析し、サプライチェーンの安全性や企業の株主支配、論文の共著関係を組み合わせた分析で、リスクコントロールを可能にする。

今村 文彦(FRONTEO 経済安全保障室 シニアアナリスト)

資源が少なく、加工貿易型の経済で成長してきた日本にとって、海外からの原料輸入と、加工した製品の輸出が円滑に進むことは重要だ。最近はこれに加えて、世界各地で発生している紛争、資源・製品の売買を巡る国家間の駆け引きの激化がある。そこで、重要な物資の安定供給網の確立など4つの柱からなる「経済安全保障推進法」が2022年5月に成立している(下囲み参照)。

経済安全保障推進法の制定からこれまで

正式名称は「経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律」。2022年5月11日に成立し、同18日に公布された。2022年9月に全体の基本方針と、4つの柱(右)のうち(1)重要物資の安定的な供給の確保、(3)先端的な重要技術の開発支援に関する基本指針を閣議決定。それぞれ特定重要物資の指定や、研究開発ビジョンが策定され、制度の運用が始まった。

さらに2023年4月、(2)基幹インフラ役務の安定的な提供の確保、(4)軍事転用可能な特許出願の非公開、の2制度に関する基本指針を閣議決定した。この2つの制度についても政省令などの整備が進み、2024年5月に運用が開始されている。

 

経済安全保障推進法「4つの柱」

(1)半導体など、重要物資の安定的な供給の確保、サプライチェーン強化
(2)電力・ガス・通信網などの基幹インフラの安全性・安定的な提供の確保
(3)量子技術やAIなどの先端的な重要技術の開発支援
(4)軍事転用可能な技術の特許出願の非公開

 

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