宇野重工 時代のニーズに応えつつ、ものづくりの情熱を追求

三重県松阪市の宇野重工は、創業113年の老舗鋼構造物メーカーだ。同社は農具の製作からスタートして、現在は全国で橋梁の製造や、ダムの水門をはじめとした水環境事業を展開している。時代のニーズに応えて成長を続けてきた同社の今後の事業構想を、宇野雄介社長に訊ねた。

「町の鍛冶屋さん」が
橋梁事業に進出し成長

三重県松阪市に、橋梁・水門に特化した鋼構造物メーカーとして、北海道、沖縄を除く全国で公共事業を手掛ける企業がある。1908年創業の宇野重工だ。

「当社は、創業当時は鍬や鎌といった農具の製作からスタートした『町の鍛冶屋さん』でした。その40年後の1948年、戦後間もない時期に、農家の方々の困りごとを解決するためにと、田んぼの水をせき止めたり解放する鉄製の水門を本格的に作り始めたのが、発展の大きな転機になりました」と2020年9月に4代目社長に就任した宇野雄介氏は語る。

宇野 雄介 宇野重工 代表取締役

1965年1月に株式会社化して以降は、国土の近代化に合わせてインフラの整備が進むなかで、明治期から鉄の加工を手掛けてきた技術力を活かして、鉄製品のなかでも重量構造物である橋梁事業に舵を切っていった。

同社は設計から製造、設置までを請け負っており、自社の製造工場を持つだけでなく、現場での施工管理、メンテナンスまで行う。三重県内を見渡しても、同様の一貫体制をとる企業は数社しかなく、創業113年の伝統と実績もあり、国や県から直接公共事業を請け負ってきた。113年かけて、売上高は58億円(2020年6月決算)、従業員は134名にまで成長を遂げている。

海峡をまたぐ大規模橋梁から
歩道橋まで、事業規模は様々

株式会社化した1965年以降、橋梁事業が一気に伸びて、現在、同社の売り上げ構成比は橋梁事業が5割、水門を含む水環境事業が3割、補修保全事業が2割になる。

海峡をまたぐ大規模橋梁から歩道橋まで、多様な橋を建設。画像はアーチ状のデザインが特徴的な新西谷橋(熊野市)

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