みなみいせ商会 企業と公的機関の目を併せ持つ新事業を

三重県内では、最も人口減少率と高齢化率が高い自治体である南伊勢町。人口減少をくい止め、町を活性化させることを目的に2017年に設立されたのが、地域商社の「みなみいせ商会」だ。同社代表で、南伊勢町の町長でもある小山氏に、これまでの取り組みや今後の事業構想を聞いた。

三重県で最も人口減少率・
高齢化率が高い南伊勢町

三重県の志摩半島に位置する、太平洋・熊野灘に面した漁村集落である南伊勢町。夏は涼しく、冬は暖かい温暖な気候で、町の約60%が伊勢志摩国立公園となっており、天然林や広葉樹林が広がる風光明媚な地域だ。

狭い湾が複雑に入り組んだリアス海岸の連なる町では、真鯛やマグロをはじめ、あおさのりや真珠の養殖など水産業が盛んで、古くは遠洋漁業で栄えた。また、柑橘類の栽培も多く、温州みかんなどが古くから栽培されてきた。

五ヶ所湾。リアス海岸で、真珠・ノリ・タイなどの養殖が盛ん。湾奥の五ヶ所浦は南伊勢町の中心地

三重県随一の美しい白浜海岸として知られる田曽白浜

町の人口は現在、約1万1800人。高齢化率は52%弱で、三重県では最も人口減少率・高齢化率が高い自治体となっている。特に首都圏や関西圏など大都市への若者の流出が大きな課題だ。

「人口減少と少子化・高齢化が問題となる中、『町を離れた若者が帰ってきたくなる町にしたい』という想いで、2017年に設立されたのがみなみいせ商会です。南伊勢町は水産業の町ですが、その多くは零細の養殖業や家族経営の加工業で、経済的には脆弱です。町の産業をプロデュースしていくことで、町の小さな水産業者や加工業者を引き上げ、経済を活性化することが、設立の大きな目的です」と、同社代表で、南伊勢町の町長でもある小山巧氏は語る。

小山 巧 みなみいせ商会 代表取締役

具体的には、町外・県外に製品の販路を確保する道筋をつくることが大きな目標だ。設立当初は、県内一の漁獲量を誇る南伊勢町の海産物を、“海なし県”である滋賀県に運び、直営の飲食店で提供するというビジネスモデルを構想。廃校の給食室を改築したセントラルキッチンで海産物を調理し、滋賀県内の直営飲食店で提供するというプロジェクトは、順調なスタートを切っていた。しかし、現在はコロナ禍で飲食店経営が困難となったため、この事業は撤退せざるを得なくなったという。

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