ファン獲得・効率化にDX推進を ライブエンタメビジネスの未来

コロナ禍の影響でコンサートや演劇等のライブ・エンタテインメント市場規模は大幅に縮小し、業界ではライブ配信による収益確保などの試行錯誤が続けられている。業界の展望や、今後求められる新たなビジネスモデル構築について、ぴあ総合研究所の笹井裕子所長に聞いた。

笹井 裕子(ぴあ総合研究所 所長)

コロナ前の水準回復は最短で2023年の見込み

ぴあ総合研究所によると、2020年のライブ・エンタテインメント(ライブエンタメ)市場規模は増加トレンドから一転。前年の6295億円から8割減の1106億円となった。特に東日本大震災発生以降は、年平均成長率8.3%と顕著な伸びを示してきただけに落差が突出している。続く2021年も、長らく続いた緊急事態宣言や国・地方自治体の開催制限の影響で、全盛期の5割にも満たない2787億円と試算されている。壊滅的打撃の元凶は新型コロナウイルス感染症拡大に他ならない。「人と人が集うこと」を事業の根幹とする集客エンタメ産業は不要不急の活動と分類され、数多くの公演が中止・延期、縮小を余儀なくされたためだ。

ライブ・エンタテイメント市場のジャンル別構成比(2020年)

出典:ぴあ総合研究所

 

一方、明るい兆しも見えている。ワクチン接種の普及や新規感染者の減少を受け、大規模イベントで主催者による感染防止安全計画の策定を条件に、参加人数の上限を撤廃する方針が政府から打ち出されたことで、社会経済活動が活発化に向かう可能性が出てきた。ぴあ総合研究所の笹井裕子所長は次のように話す。

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