台頭するコミュニケーション型ゲーム デジタルゲーム市場の展望

デジタルゲーム市場はコロナ禍の中でも成長し、不安感や孤独感の解消に寄与するコミュニケーション型ゲームが人気を集めた。これは今後の「メタバース」の発展を予感させるが、一方で、ゲーム内の「ルール強化」が進むことのリスクも存在する。

中村 彰憲(立命館大学映像学部教授、ゲーム研究センター長)

コロナ禍で交流型ゲームがヒット
不安や孤独感解消に寄与か

デジタルゲームの市場は力強く成長を続けている。ファミ通ゲーム白書によれば、2020年の世界のゲーム市場規模は20.6兆円で前年比32%増、うち東アジアは8.77兆円となった。日本のゲーム市場は2020年に初めて2兆円を突破。ゲームを専門的に研究する国内唯一の学術機関である、立命館大学ゲーム研究センターの中村彰憲センター長(立命館大学映像学部教授)は「ゲーム市場成長には、コロナ禍における巣篭もりの効果が影響しています。国内市場の成長の原動力となったのはスマートフォンアプリで、家庭用ゲーム機はNintendo Switchが主流となっています」と話す。

ゲーム市場の地域別規模

出典:「ファミ通ゲーム白書」に基づき中村彰憲教授作成

 

日米における人気ソフトウェアのランキングを見ると、日本で一番人気だったのはSwitch向けソフト『あつまれどうぶつの森』であり、アメリカでも3位(海外タイトル『Animal Crossing: New Horizons』)に入っている。無人島を自分好みに開拓できるゲームで、他のプレイヤーと島を相互に訪問できる機能もある。「コミュニケーション型ゲームがこれほど人気を集めるのは異例です」と中村教授は述べる。

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