「持続可能な観光」が、今後の旅行業界のスタンダードに

世界的にSDGsの取り組みが加速する中、観光産業においても「持続可能な観光」は今や無視できない重要なキーワードだ。アフターコロナに向けて、観光産業は何が変わっていくのか。「地域は旅行者から選ばれるだけでなく、『旅行者を積極的に「選ぶ」』時代になりつつある」と和歌山大学の加藤教授は語る。

加藤 久美(和歌山大学観光学部観光学科 教授)

SDGs達成に貢献する
サステナブル・ツーリズム

企業や自治体においてSDGsへの取り組みが加速している。特に、経済成長と雇用に関する「目標8」、消費と生産に関する「目標12」、海洋資源に関する「目標14」の3つに対し、観光の役割が明記されたターゲットが設定されているが、国連世界観光機関(UNWTO)は、観光業は17の全ての目標に貢献する力があると提言している。

日本では、観光庁が2018年に「持続可能な観光推進本部」を設置し、2019年に報告書「持続可能な観光先進国に向けて」を公表。さらに2020年に、国際基準(GSTC-D)に準拠した「日本版持続可能な観光ガイドライン(JSTS-D)」を策定し、5つのモデル地区においてモデル事業を実施。2021年はモデル地区が15地区に拡充された。

近年、日本でも持続可能な観光への取り組みが進んでいる背景について、和歌山大学の加藤久美教授は「2000年以降のインバウンド急増によって経済的メリットを享受した一方、受入体制が追いつかず、観光の負の側面が発生したことが影響している」と話す。

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