北海道を、世界に通用するアドベンチャーツーリズムの発信基地に

コロナ禍で苦戦を強いられる観光業界で今、「持続可能な観光」の一手段として、「アドベンチャーツーリズム(AT)」に注目が集まっている。その牽引役として、北海道を拠点に地域をあげた取り組みを推進する鶴雅ホールディングス代表の大西雅之氏に、AT市場の現在や、想いについて聞いた。

大西 雅之(鶴雅ホールディングス株式会社 代表取締役社長 阿寒アドベンチャーツーリズム株式会社 代表取締役)

世界のAT市場規模は75兆円
個人旅行の成熟化に応える

アドベンチャーツーリズム(AT)とは、「アクティビティー」「自然の体感」「文化交流」の3要素のうち、2つ以上で構成される旅行分野の一つである。

ATを推進する世界組織「Adventure Travel Trade Association(ATTA)」の試算によれば、世界全体の市場規模は約75兆円(2017年)、過去5年の平均成長率は21%と大きな伸びを見せている。AT旅行者は教育水準の高い富裕層の割合が高く、平均14日間と長期の滞在を好み、アウトドアギアにもこだわる層が多いため、経済波及効果が高いと言われる。

日本でもATを推進しようと、2019年に産学官連携により一般社団法人日本アドベンチャーツーリズム協議会(JATO)が本格稼働し、北海道をはじめ九州や沖縄、長野で取り組みが始まっている。その先頭を走るのが、北海道釧路市の阿寒湖温泉に拠点を置く鶴雅グループだ。阿寒グランドホテルを1955年に創業以来、道東エリアだけではなく、道央および道南を含めて13のリゾートホテルを展開している。

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