あえてコロナ禍に新規参入 海外旅行のDXで業界の活路を拓く

コロナ禍により観光目的での渡航が制限されている中で、「デジタル化」「省人化」「無人化」の急速な発展に目をつけ、DXによる新たな海外旅行サービスの創出に挑んでいる、2021年4月創業の令和トラベル。連続起業家として知られる代表の篠塚孝哉氏に、起業の経緯と今後の事業構想を聞いた。

篠塚 孝哉(株式会社令和トラベル 代表取締役社長)

海外旅行市場の停滞を新規参入の追い風に

2021年4月に創業した令和トラベル。その名の通り、令和という時代にふさわしい「あたらしい旅行を、デザインする。」をミッションに掲げ、参入障壁が高いと言われる旅行業界に、コロナ禍をものともせず乗り込んできたスタートアップだ。同年6月には、ジャフコおよびANRIをリードとする第三者割当増資の実施を公表。シードラウンドでの22億5000万円の資金調達を実施し、注目を集めた。

令和トラベルのトップページ。テックカンパニーだが、どこかレトロな雰囲気も漂う

「海外旅行市場が一変したことが、追い風になると考えての起業でした。コロナ前の2019年、日本人の海外旅行者数が過去最高の2000万人に達し、競合他社は絶好調。あの時、当社のような新参者が第一種旅行業免許の厳しい審査を突破してサービスインしたとしても、集客やマーケティングで苦戦していたでしょうね」と社長の篠塚孝哉氏は振り返る。

篠塚氏は、リクルートの「じゃらん」を経て、2011年に株式会社Loco Partnersを設立。宿泊予約サービス「Relux」のヒットにより、経営を軌道に乗せた。2017年春にはKDDIグループにM&Aにて経営参画し、2020年3月に社長職から退いた。約1年の充電期間において、ゲノムや宇宙、EC、SNS、エネルギー、金融、不動産、5G関連等々、あらゆる流行や技術を調べるうちに、「“Will”と“Can”のバランスが良い海外旅行ビジネスに焦点を定めた」という。

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