サステナブルファイナンスの現状 グリーンフィンテックを育てる

脱炭素化に向けた取組など、社会課題解決に資金の流れを向けるサステナブルファイナンス。企業に情報開示を促し、信頼できるデータに基づく投資先選定の技術開発が進む。スイスやシンガポールでは、金融ハブの威信をかけたグリーンフィンテックの起業促進策がとられている。

日本取引所グループは7月にESG債情報プラットフォームを公開した

サステナブルファイナンスは、様々な社会課題の解決を進め、持続可能な社会を実現する手段となる金融システムとして注目を集めている。最近では特に、世界的な問題である温暖化ガス排出抑制のために不可欠な存在と捉えられている。環境問題に取り組むサステナブルファイナンスを実現するテクノロジーは、特に「グリーンフィンテック」とも呼ばれている。

国内でも有価証券報告書に
サステナブル指標の記載始まる

サステナブルファイナンスが社会課題の解決に貢献できるようにするため必須となるのが、企業の情報開示の充実、企業の長期的な事業活動で重要な環境・社会・ガバナンス(ESG)指標を評価する機関の信頼性向上、およびデータ流通のための基盤整備だ。このような新しい金融インフラの整備に向けては、2022年7月に金融庁が「サステナブルファイナンス有識者会議第二次報告書」を発表したところ。2021年6月の第一次報告書に過去1年の施策の進捗状況を追加し、国内外の動向を踏まえてさらなる課題と提言を発信した。報告書では、サステナブルファイナンスを「持続可能な経済社会システムを支えるインフラ」として位置づけている。これを政策的に推進していく観点から、①企業開示の充実、②市場機能の発揮、③金融機関の投融資先支援とリスク管理、の3つの柱で施策を整理、提言した。

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