MYROOM まちと暮らしと建物を知る空き家見学会が好評

長野県の善光寺界隈では、多くの人が空き家を活用し、様々な事業を始めている。その仕掛け人が、不動産業、設計事務所、建設業の3つを事業とする「MYROOM」の代表、倉石智典氏だ。「やりたいことを、自分で小さく一つずつ」という信念に基づいた倉石氏の事業を紹介する。

MYROOM代表取締役の倉石智典氏

「空き家問題は解決できない」
諦めからのスモールスタート

MYROOMの事業は空き家の仲介とリノベーションに特化していることが特徴だ。場所は、代表取締役である倉石智典氏が生まれ育った長野県の善光寺門前町界隈が中心。2010年の設立以来、仲介した空き家は100軒を超え、今、借り手のウェイティングリストには100人超が名を連ねている。善行寺界隈は興味深い「空き家リノベーション」の取組が進む場所として注目を集めている。

空き家は日本全国で問題となっているテーマだが、倉石氏は自分の手でその問題を解決するという強い意気込みを持って起業したわけではない。MYROOMは「やりたい事を先ず始めて、やりながら考える」という考えをベースにしたスモールスタートだった。

大学進学で東京に出て、東京で就職。長野に帰ったのは2005年頃のことだ。

「実家は工務店なのでその手伝いをしていました。その中で、子どもの頃は賑やかだった善光寺の表参道にもシャッターが閉まっているお店があり、空き家になった古い建物がうまく使われていないことをもったいないと感じるようになったんです」

東京では不動産企業に勤務していたため不動産を扱う資格、知識、経験はあった。かつ、実家の工務店を手伝うことで建築の経験も重ねていた倉石氏。空き家や古いビルをリノベーションし発信する東京R不動産のような仕事がしたいと、一人で設立したのがMYROOMだった。

とはいえ、「何かを変えなければ、と思ったわけではないんです。むしろ、空き家問題は解決できない、という諦めからスタートしたと言っていいと思います」。解決ができないのだから、自分で一つずつでも使い始めたほうがおもしろい。そんな考え方から、会社名も「マイホーム」ではなく「マイルーム」。「自分の居場所づくりからスタートした会社です」と設立の経緯を話した。

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