マルコメ 消費者目線に立ち、革新的な発酵食品を生み出す

老舗味噌メーカーであり、業界最大手のマルコメ。近年は世界的な健康ブームを追い風に、味噌の原料と発酵技術を活かした「糀甘酒」や「糀みつ」などの革新的商品を販売し、新規顧客の獲得に成功している。業界をリードし続ける同社の事業変革と新商品開発について、青木時男社長に聞いた。

青木 時男(マルコメ株式会社 代表取締役社長)

容器革命と商品開発力で
味噌業界を牽引

米糀と大豆で作る代表的な米味噌で、淡色かつ辛口を特徴とする「信州味噌」。産地の長野県内には100軒もの味噌蔵が点在し、国内産味噌生産量の5割を担う。そんな信州味噌の老舗にして味噌メーカー最大手のマルコメは、1854年に青木民右衛門が現在の長野市で味噌づくりを始めたことに端を発する。

信州味噌が東京へ進出したのは1923年の関東大震災がきっかけだ。首都圏で多くの味噌蔵が被災したが、このとき救援物資として送られたのが信州味噌だった。その後、信州味噌がブランドとしての地位を築いたのは終戦直後のこと。

「県内の味噌屋が長野県味噌工業協同組合連合会として団結し、東京に高品質の味噌を送り込んだのですが、食糧難の中、芋やトウモロコシで作ったまがい物が出回るようになりました。そこで、1950年に味噌の検査条例がつくられ、合格品だけを出荷するようになりました。1955年には組合の団体商標として信州味噌を登録し、全国的な知名度を上げたのです」と代表の青木時男氏は語る。

組合の主要企業であるとはいえ、地方の中小企業だったマルコメが業界トップに登りつめたのはなぜなのか。その理由は「容器革命と消費者目線の商品開発にある」と青木氏。

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