キッツ 地域に開き、地域とともに新たな事業を育てる
総合バルブメーカーのキッツは、創業者生誕の地でもある長野県に工場を置き、地域活性化に向けた様々な活動に取り組んでいる。茅野市とは「若者に選ばれるまち」の実現に向けた包括連携協定を締結したほか、茅野工場内には災害時の避難所にもなるイノベーションセンターを設置している。
バルブの製造・販売で
国内トップシェアのキッツ
キッツは1951年に北澤製作所として創業。東京に本社、山梨県長坂町に工場を置き、青銅製バルブの製造・販売を始めた。1992年には、社名を現在のキッツに変更。現在はバルブの製造・販売で国内トップシェアを誇り、世界でもトップ10に入る総合バルブメーカーとなっている。
「創業者の北澤利男は、長野県の諏訪湖のほとりにあった東洋バルヴの創業者・北澤國男の長男で、元は東洋バルヴで働いていましたが、独立して北澤製作所を作りました。『バルブは素材が命』というのが彼のポリシーで、素材づくりから自社で一貫生産を行いました。この流れは、現在も引き継がれています」と代表の河野誠氏は語る。
キッツは2004年に、東洋バルヴのバルブ事業を買収。キッツの子会社であるキッツマテリアルがこの事業を譲り受け、社名を東洋バルヴに改称した。その際、茅野市にあった東洋バルブの茅野工場がキッツの工場に加わった。キッツのバルブ製造では現在、山梨県北杜市の長坂工場と長野県伊那市の伊那工場、そして茅野工場が主な拠点となっている。
長坂工場の主な生産品目はステンレス鋼製バルブで、工場は液化天然ガス(LNG)や水素ステーションも備えている。伊那工場は、特に大口径の大型バルブの生産を担っている。茅野工場の主な生産品目は青黄銅製バルブで、建築設備や機械装置向けの小型バルブを大量生産する設備を備えている。
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