「延長上」にない新規事業を生む クリエイティブ力の重要性

不確実性が増す社会で、企業がイノベーションを起こすには、クリエイティブな発想を持つ人材と組織が必要不可欠だ。デザイン経営やクリエイティブ人材育成に対する日本企業の関心は高いが、それらはどのように実現すれば良いのか。

消費者はモノや売り切り型モデルではなく、サービスや体験に価値を置くようになっている(テスラの自動運転EV)Stock

クリエイティブな発想力が
現状の延長にない事業を生み出す

あらゆる産業とビジネスがソフトウェア・ネットワーク・サービス・データ・AIの組み合わせに急速にシフトしている現在、日本の経済成長を牽引してきた製造業・ものづくり産業の競争優位性は大きく揺らいでいる。インターネットに接続された製品やサービスにおいては、顧客体験の質がビジネスの成功に大きな影響を及ぼすようになった。日本のお家芸であった、安価かつ高品質で均質化された商品・サービスは、社会構造が複雑化し続ける中で、多様化・深層化する消費者のニーズを満たせなくなってきている。

特に、サブスクリプションサービスやシェアリングサービスの台頭に象徴されるように、消費者は“モノ”や売り切り型モデルではなく、サービスや体験に価値を置くようになっている。わかりやすい例が自動車であり、消費者はクルマではなく移動サービス(Mobility as a Service)をより強く求めるようになった。自動運転EVを開発するテスラはこの7月、ゲーム配信プラットフォーム大手のSteamと連携し、テスラの車載システム上でのゲーム配信に取り組むことを発表したが、これは自動運転で浮いたユーザーの時間を埋めるサービスや体験の創出を目指したものだ。

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