時事テーマから斬る自治体経営 少子化対策(子育て支援)の注意点

子育て世帯の転入促進のため、多くの地方自治体が子育て支援事業を行っている。子育て支援事業で大きな成果が出た自治体への視察も頻繁に行われているが、一方で、その施策を他の自治体が導入しても成果が上がらないことも多いという。その背景にはどのような理由があるのだろうか。

読者は、「異次元の少子化対策」を覚えているだろうか。2023年1月に岸田文雄首相(当時)が年頭会見で表明した少子化対策である。今では全く聞かなくなった(全く聞いていないのは、もしかしたら筆者だけかもしれない)。

異次元の意味を確認すると「これまでの次元とは異なる」や「現実を超えた幻想的世界」などになる。まさに、これまでとは次元の異なる速さで言葉(概念)を聞かなくなった。結局は、現実さえも超えられなかった取り組みと言えそうだ。そのため、ますます少子化は進み、2024年の出生数は約68.5万人という予測がある。

国が「異次元の少子化対策」を言う以前から、地方自治体は創意工夫を凝らして子育て支援を進めてきた。どの自治体も少子化対策に取り組んでいるが、成果が上がらないケースが多い。冷静に判断(客観的に分析)すれば成果の上がらない理由は明確になる。実は、そこには基本的な視点の欠如がある。成果が上がらないのは、上がらない理由がある。今回は、少子化対策(子育て支援)を実施する前に確認すべき注意点に言及する。

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