空から広がるビジネスチャンス 空飛ぶクルマがある社会を構想

空飛ぶクルマの開発競争で、国内において先頭を走るのは、SkyDrive(スカイドライブ)だ。既に有人飛行に成功しており、狭小スペースで発着できる小型車で2025年頃の事業化を目指す。同社の福澤知浩CEOに、空飛ぶクルマの普及が都市や地方、社会にもたらすインパクトについて聞いた。

福澤 知浩 SkyDrive 代表取締役CEO

ヘリコプターでも小型飛行機でもない新しいモビリティ「空飛ぶクルマ」。2016年10月、米Uber社が「空飛ぶクルマプロジェクト」を公表したことをきっかけに、世界各国で開発競争がスタートした。スカイドライブCEOの福澤知浩氏が、トヨタ自動車勤務時代に社内外の有志で作るグループで未来のクルマの事業アイデアを練るうちに出てきたのも空飛ぶクルマだった。その後、経営コンサルタントとしていったん独立した福澤氏だったが、空飛ぶクルマの開発に身を投じたいという思いが募り、2018年にスカイドライブを設立する。

スカイドライブが開発した有人機 SD-03。2020年8月には4分間の有人公開飛行に成功した

屋上や駐車スペースを発着場に
自由な移動で都市・過疎地に変革

同社が最終的に目指しているのはeVTOL(電動垂直離着陸)型の2人乗りで、乗用車の駐車場2台分に収まるほどの小型タイプ。機体の四隅に上下2枚ずつ、計8枚のプロペラとモーターを備えている。2020年8月には4分間の有人飛行に成功した。同社はもう1つの事業である輸送ドローンについては、すでに販売・サービスを開始済み。空飛ぶクルマも2025年頃の実用化を目標に掲げている。機体そのものを販売・リースする企業を目指すが、運航にも関与すべく社内でビジネスモデルを検討しているという。

福澤氏は、未来の社会では人の移動は個別化(パーソナライズ)されると見ている。すべての移動手段を1つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐMaaSが普及すれば、個人が目的に合わせてその都度最適な移動手段を選ぶ時代がやってくる。空飛ぶクルマには、このような移動のパーソナライズの一翼を担うことが期待される。

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