日本政府観光局(JNTO)の展望 世界を惹きつける日本の魅力を発信

インバウンド復活により、世界の観光客が日本にやってきた。将来の持続可能な観光に向け、アドベンチャートラベルなどの新しい観光の在り方の模索が進む。高付加価値化と、世界に評価されるコンテンツづくりに向けて、人材育成も重要だ。

蒲生 篤実(日本政府観光局[JNTO]理事長)

日本政府観光局(JNTO)は、訪日外国人旅行者を誘致するために活動している公的な専門機関だ。世界の主要都市26か所に海外事務所等を構え、世界各地に旅行先としての日本の魅力を発信するべく各種プロモーション活動を展開している。

復活したインバウンド
旅行者の背景はより多様に

「観光立国」を目指す日本の努力は、2019年までは着実に実を結んでいたものの、2020年~2022年までのコロナ禍で訪日外国人旅行者数は大きく落ち込んでしまった。しかし2023年4月に水際措置が撤廃されるや急回復し、2023年の年間では2500万人超が日本を訪問するという結果になった。月ごとの数値で見ると、2023年10月からは既にコロナ前を超えた。海外から見た観光地としての日本は復活したといえる。

「中国人観光客が多かったコロナ前と比較すると、訪日観光客はより多様化しています。これは良い傾向だと考えています。1つの国、地域に頼るよりもリスクが分散されるからです」と、JNTO理事長の蒲生篤実氏は分析する。同時に、中国国内でも旅行が復活している背景を受け、2024年2月の春節シーズン以降の中国人旅行者の動態にも期待しているという。

最近特に増えているのが、距離的には日本から遠い欧米豪等の観光客だ。遠くの国に旅行すればその分、時間もお金もかかる。しかしコロナ後の久しぶりの海外旅行で、遠隔地でも訪問して、長期滞在して楽しみたいという層が訪日しているのではないかという。これは、「2025年までにインバウンド(訪日外国人)の1人あたり消費額を20万円にする」という政府目標達成を後押しする要素にもなる。

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