スポーツ文化ツーリズムシンポジウム&4省庁連携セミナー
スポーツ×⽂化×観光による新たな地域振興を図るべく、スポーツ庁、文化庁、観光庁が包括的連携協定を締結したことから誕⽣した「スポーツ⽂化ツーリズムアワード」。その表彰式を兼ねて開催された「第7回スポーツ⽂化ツーリズムシンポジウム」と「4省庁連携セミナー」の模様をレポートする。
スポーツと文化で作る
ツーリズムの最前線
2024年2月2日に神田明神ホール(東京都千代田区)で開催された「第7回スポーツ⽂化ツーリズムシンポジウム」では、大阪体育大学学長で日本スポーツツーリズム推進機構の代表理事を務める原田宗彦氏が「スポーツ文化ツーリズムの最前線」のテーマで基調講演を行った。原田氏は、世界のいかなる他国とも文化的に密接なつながりを持たない“ガラパゴス性”や生物多様性、島嶼部性(陸地の面積に比べ海外線の距離が長い)といった日本ならではの特性がスポーツ文化ツーリズムに生かせると主張する。
具体例として、精神性を伴った競技性のある「武道」、武道から波及した文化などを楽しむ忍者などの「BUDO」、城下町、茶の湯などの「武家文化」を組み合わせた【武道ツーリズム】と、海、山、川など地域の景観、環境、文化に親しみながらアクティビティを楽しむ【アウトドアスポーツツーリズム】という2つのスポーツ文化ツーリズムを紹介。「都市型モノ消費から地方型コト消費へとインバウンドの嗜好が移行しつつあるなか期待はますます高まっている」と述べた。
また、ツーリストが集まるアトラクションをつくる手法の一つとして、富山県南砺市利賀村が山に注目し(対象化)、トレイルランニングを行うことを決め(資源化)、古道や廃道を復活し「TOGA天空トレイルラン」というイベントを造成(商品化)した事例に触れ「スポーツと文化をかけ合わせ、そこに観光の要素を入れることでスポーツ文化ツーリズムの未来が見えてくる」と今後への期待を込めた。
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