衛星データと地上の各種データ で地中の水道管の漏水リスクを可視化

宇宙ベンチャーの天地人は、宇宙ビッグデータを活用して社会課題の解決に挑んでいる。その1つが、水道管の漏水リスク管理業務システム「宇宙水道局」だ。2年後には自前の衛星を打ち上げる計画で、宇宙からのデータを活かしたビジネスをさらに広げていく。

樋口 宣人(天地人 執行役員COO)

農業分野や資源・エネルギー分野で
衛星データから価値を生み出す

天地人は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の認定ベンチャーとして2019年に設立された。宇宙利用の研究開発に長年携わってきたJAXAの研究者らが、衛星データや宇宙技術が持つ可能性をさまざまな社会課題の解決に直接役立てたいと開始した事業だ。

主力サービスは、宇宙ビッグデータを活用した地球規模の課題を解決できるオンラインGISプラットフォーム「天地人コンパス」。衛星画像を分析するとともに、地上の様々なデータ(土壌、地質、気象、人口動態、インフラ情報など)と組み合わせ、AIによって高度に解析することで、土地が持つ潜在的な価値を可視化するサービスだ。

農業分野では、農作物の生育状況や収穫量を予測したり、最適な植え付け時期や肥料の量をアドバイスするなど精密な農業をサポートする。地表面温度を比較するなどして、気候変動に応じた新しい適地探しにも使える。エネルギー・環境分野では、太陽光発電所や風力発電所の最適な設置場所を日照量や風況、地形データを基に評価するサービスなどを提供している。

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