トーハンの小規模書店開店パッケージ「HONYAL」
全国の自治体の約30%で本屋が消滅した。こうした中、書店取次大手のトーハンが開始した「HONYAL(ホンヤル)」は、出版流通における信用取引緩和と総合取次の流通基盤を活かし、小型書店を容易に開業できる仕組みが高く評価され、2025年度グッドデザイン・ベスト100を受賞した。
関輝当氏 株式会社トーハン 書店事業本部マネジャー(右)、
山口陽洋氏 同(左)
「書店業界は薄利多売で、雑誌などがよく売れていたので、町の書店は薄利でも日々のやりくりができていました。しかしインターネットの普及により、情報を得るのに紙媒体でなくてもいい世の中に変わり、多売が実現できなくなり、閉店されるケースが非常に増えました」とトーハンの書店事業本部マネジャー関輝当氏は語り始めた。
さらに同氏は「従来の書店は開業するハードルが非常に高い」と明かす。新規書店の開業には月100万円以上の取引が必要で、さらに2ヶ月分の保証金と連帯保証人2名以上が求められていた。出版物の粗利率が約2割という薄利な商材であることも、新規参入の阻害要因であったと説明する。
経営が苦しく、書店は次々に閉店する。しかし新規参入のハードルは高くて増えない。結果、書店数が激減するのは自明だ。そこに歯止めをかけるべく「書店業を始めやすい業態に」デザインしたのが、2024年10月にスタートしたHONYALだ。
全文をご覧いただくには有料プランへのご登録が必要です。
-
記事本文残り79%
月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!
初月無料トライアル!
- 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
- バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
- フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待
※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。