ユーグレナ 100年後の社会を考えるサステナビリティ・フィクション
「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」をフィロソフィーとして掲げるユーグレナ。経営陣とSF作家が組んで、100年先の未来社会と人類の姿を描いたSF小説を発表した。希望を持って明るい将来のために行動する人を社会の中で増やしたいという。
会見で作品の内容、制作過程について説明する永田氏
ユーグレナは、食品や化粧品などのヘルスケア事業を展開すると同時に、バイオ燃料の社会実装に向けた事業を進めている企業だ。2022年12月22日には、サステナビリティをテーマにした文学の新ジャンル「SF(サステナビリティフィクション)小説」4作品を公開した。「SFマガジン」を発行している早川書房(東京都千代田区)の協力のもと、現役SF作家4人と、ユーグレナCEOの永田暁彦氏ほか経営陣がコラボレーションして制作した。
「二子玉川 蔦屋家電」では期間限定で作品の展示も行った
空想を現実化した企業が
100年先を考えるための「経営空想」
永田氏は、今回の取組の背景について同日の記者発表会で説明した。ユーグレナは2012年12月に当時の東証マザーズに上場し、10周年を迎えたところだ。2005年の創業時の目標は、バングラディシュの貧困問題を微細藻類ユーグレナとテクノロジー、サイエンスの力で解決することだった。
「多くの人に、そんなことは空想の世界でなければ実現できない話だと言われました。しかし現在、実際にバングラディシュの子どもたちに毎日1万食以上を提供するプロジェクトを実施しています。空想が現実になる、ということはあると思っています」。
また、化石燃料に頼らないサステナブルな世界をつくるために、バイオ燃料で飛行機を飛ばすという構想も、当初は空想の産物だとみなされていた。しかし研究開発や工場への設備投資を進め、2021年6月、ユーグレナはバイオジェット燃料を使ったフライトを実現した。
企業組織としてとして未来を持続可能な社会にする活動にも力を入れてきた。例えば、未来の当事者である世代が経営に参加していくべき、との考えから2019年からCFO(Chief Future Officer:最高未来責任者)の募集を始めた。今回のSF小説も、持続可能な未来のための取組の1つ。100年後をイメージした超長期の経営空想を、フィクション小説の形で発表したもの、と同社では説明している。
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