水産資源と食文化を守る トップシェフのネットワークと発信力

日本の漁獲量減少に歯止めがかからない。シェフス フォー ザ ブルーは「日本の豊かな海を取り戻し、食文化を未来につなぐ」ことを目標に、トップシェフたちが漁業の現場と生活者をつないで、社会全体を巻き込んだ共創に取り組んでいる。

聞き手 : 小宮信彦 事業構想大学院大学 特任教授/電通 シニアイノベーションディレクター

Chefs for the Blue代表理事 佐々木 ひろこ氏(右)と事業構想大学院大学 特任教授/電通 シニアイノベーション・ディレクター 小宮信彦氏(左)
協力:MIDORI.so

漁業の現場で芽生えた危機感
シェフとの勉強会からスタート

小宮 シェフス フォー ザ ブルーの活動を始めたきっかけを教えてください。

佐々木 フードジャーナリストを20年以上続けてきました。レストランのほか農家、ワイナリーなどの生産、加工業者も取材してきましたが、漁業は、取材をしても市場までで、海や浜に出向くことはありませんでした。

ところが2016年に半年ほど漁業と向き合うことになり、漁場や浜でのセリを見学したり、漁師や水産加工業者、アカデミアの方と話したりする機会を得ました。そこで初めて、海が大変な状況にあることに気づいたのです。当時ですでに、日本の漁獲量はピーク時の1980年代に比べて3分の1に減っており、このままでは食文化を未来につなげない時がやってくるのではという危機感を募らせました。

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