はなおか 「正直」をキーワードに住宅業界の常識を覆す

「正直に王道を行く」を経営理念に掲げ、徳島県を基盤に発展してきた注文住宅メーカーのはなおか。徳島県の注文住宅着工戸数でトップを誇る同社は、2024年8月に香川県に進出し、さらなる事業拡大を目指している。同社の発展経緯や事業戦略について、代表取締役会長の花岡秀芳氏に聞いた。

花岡 秀芳(株式会社はなおか 代表取締役会長CEO)

水処理事業で起業し
住宅事業に新規参入

2004年に徳島県内の注文住宅着工戸数で1位になって以降、20年連続で同1位を獲得し続けている、地域密着の注文住宅メーカーのはなおか。同社は1989年に、現代表取締役会長の花岡秀芳氏が起業した。起業当初は、花岡氏のもともとの家業であるスーパーマーケットの経営も重複して行っていたという。

「1989年に、妻と2人で四国アクアシステムという水処理事業の会社を創業しました。それ以前は家業のスーパーマーケットを経営していたのですが、地域の人口減少が進む中、大手スーパー等の競合の進出もあり経営が厳しくなり、余力があるうちにスーパーを閉店することにしました。商売人の家系なので、どこかに勤めるよりも自分で何かをやりたいと幼い頃からずっと考えて生きてきたこともあり、それをきっかけに起業しました。起業後も6年ほどは縮小したスーパーの経営も並行して行っていました」と花岡氏は語る。

四国アクアシステムは上水処理装置の販売・メンテナンスを行う会社だったが、1997年に大きく事業を転換し、畑違いの住宅事業へ参入。第2創業として、はなおかへと社名を変更した。

「住宅事業へ参入した理由の1つは、当時の分譲住宅会社を見ていて、本当に誠実で親切な仕事をしているとは思えない点があったからです。スーパーでお豆腐一丁何円など、1円単位の商売をしてきた私には、住宅業界では数千万円という大きな金額をいただいているにも関わらず、荒っぽく曖昧な仕事をしているように見えました。また、現場に行って大工さんに話を聞いたら、業界では繁忙期には呼ばれるが、それが終わったら途端に仕事がなくなったり、給与も建築会社の経営の調子が悪い時は削られたりするなど、不安定な労働環境下にあることを知りました。それならば、『業者の立場も考慮し、お客様の気持ちに寄り添った経営をすれば、この業界の人たちに勝てるのではないか』と思い至ったのです」

また、人口減少が進めば、徳島での住宅着工数が今後減るのは明らかだったが、花岡氏は「衣食住のうちの住がなくなるわけではない」と、住宅事業に踏み込むことを決意したという。

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