日本製品の魅力を「空間」で伝える「Time & Style」

「日本の伝統技術を現代の生活に進化させる」をコンセプトに、永く使い続けられる、素材が持つ手触りを大切にしたものづくりを追求する「Time & Style」。同ブランドを立ち上げ、海外からも高い評価を得るまでに育てたプレステージジャパン代表の吉田龍太郎氏に、同社の発展経緯と今後の構想を聞いた。

吉田 龍太郎(株式会社プレステージジャパン 代表取締役)

家具ではなく、
「家具が生む魅力的な空間」を提案する

デザインのメッカであるイタリア・ミラノに2022年6月、Time & Styleのショールームがオープンした。ミラノの中心地・ブレラ地区に位置する、1800年代に建てられたネオクラシックな佇まいの建物。同ブランドはここから、日本のものづくりという域を超えて、東洋と西洋が融合した新しい価値観に基づいたインテリアを提案している。

2022年6月、イタリア・ミラノにオープンした「Time & Style」のショールーム

プレステージジャパンは1990年、ドイツのベルリンで創業した。独日協会の文化研修事業に参加するため1985年に渡独した吉田氏が、研修期間後もドイツに残って立ち上げた。

「念頭にあったのは、『日本人は日本文化の良さに気づいていない』という想いでした。自分自身を含め、特に当時は、西洋の良いものを取り入れようという志向が日本全体にありました。しかし、私は海外から日本文化を見たことで、もっと日本の良さを発信したいと思うようになりました。また、日本の当時の家具店は、テーブルの上に別のテーブルを乗せて展示することも、ごく当たり前。多くの商品を見せることが重要で、『ものがある良い空間そのもの』を提案するという発想が、業界全体にありませんでした」

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