舩坂酒造店 廃校を活用した蒸溜所から地域を活性化

日本酒の蔵元である舩坂酒造店が、岐阜県初のウイスキー専門蒸溜所を2023年4月に開設する。同社は、高山市で旅館業などを展開するアリスグループが2009年に市内の酒蔵を事業承継し、再生に取り組んできた。有巣社長は「総合ジャパニーズアルコールメーカーとして、世界に高山を発信したい」と語る。

有巣 弘城(有限会社舩坂酒造店 代表取締役社長)

200年以上の歴史を誇る蔵元を再生し、
地域の魅力を守る

アリスグループは、有巣氏の曽祖父母が高山市内で洋食屋を運営していたことで知られ、その後、代を経てレストラン、ウエディング、旅館業などに進出。現在は「本陣平野屋花兆庵」と「本陣平野屋別館」の2軒の温泉旅館を中心に事業を展開する。同グループが、江戸末期から200年以上の歴史を持つ舩坂酒造店の経営の苦境を知り、2009年に事業承継を決断した理由は2つある。

「1つは、商売人としての魂を揺さぶられたこと。蔵の立地場所が上三之町という高山市のメインストリートである伝統的建造物群保存地区にあり、いつかはここで商売をしたいと思う憧れの地でした。2つ目は、旅館の価値も向上させることができると思ったからです。旅館の魅力は、その地域の食・歴史・文化とともにあります。古くからの造り酒屋を再生させることで、地域の魅力を守ることにつながると考えました」(有巣氏)

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