百年の時間を宿す古木を未来の資源へ 山翠舎の「古民家ルネサンス」構想

空き家の解体現場から生まれる古材を「古木(こぼく)®」としてブランド化し、全国600以上の飲食店や宿泊施設の空間づくりを手掛けてきた山翠舎。その時間を宿した木は、今や世界的なアーティストの作品に用いられるなど、活用の場は日本から世界へと広がっている。

山上 浩明(山翠舎 代表取締役社長)

古民家の古材に着目し、時間と
共に価値を高める仕組みを構築

日本には今、約900万戸の空き家が存在すると言われている。2038年までに倍以上に増える可能性もあり、社会課題としての緊迫感は高まる一方だ。しかし、この「負債」に見える存在を、「未来の資源」として捉え直そうとする企業がある。創業からまもなく100年を迎える長野県の建築事業者・山翠舎だ。

同社は、古民家が解体される際に発生する古材を活⽤するビジネスを手掛け、空き家問題と廃棄物削減、そして脱炭素社会の実現という複合的な社会問題に向き合ってきた。

同社の創業は1930年。創業者は建具職人として、2代目は工務店として事業を拡大してきたが、3代⽬社⻑の山上浩明氏は「自分は建築に向いていない」と感じ、大学では理工学を専攻。ソフトバンクに就職して一度はITの道に進んだが、2004年に家業へ戻ると、空き家の解体現場から生まれる古材を活用した新規事業を立ち上げた。

「時間が経つほど価値が高まる社会をつくりたいと考えました。今後20年で1万棟の古民家を、壊すのではなく解き放つ。それが私たちの『古民家ルネサンス構想』です」

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