福岡は本当に地方最強都市? データから読む福岡市の課題と解決策

地方自治体の多くが人口減少に陥る中、毎年人口が増加している福岡市。同市は開業率も全国1位を誇っているが、福岡大学の木下敏之教授は「福岡市は九州で最も子どもが生まれない、超少子化の街」だと指摘。イメージで語るのではなく、実際のデータから街の本当の姿を読み解くことの重要性を説いている。

木下 敏之(福岡大学経済学部産業経済学科 教授)

2035年に人口165万人で頭打ち
「地方最強の都市」への誤解

九州最大の都市・福岡市は、横浜市、大阪市、名古屋市、札幌市に次ぐ5番目の人口(約162万人)を擁し、人口増加率・開業率ともに政令指定都市の中でトップを誇る。近年は「福岡はすごい」「地方最強の都市」といった類の書籍が刊行され、福岡市は地方創生の勝ち組として取り上げられる機会も多いが、「このまま何も対策を講じなければ、2035年には165万人で頭打ちになる」と警鐘を鳴らすのが、元佐賀市長で福岡大学経済学部教授の木下敏之氏だ。

「福岡市が地方最強というのは、東京、大阪、名古屋を除く“二軍のエース”という意味で、褒め言葉ではありません。『毎年、人口が1万人増えている』という報道もありますが、実はその6~7割は高齢者で占められ、15歳から44歳人口は5年前から減少しています」

さらに、市民の多くは「福岡市の地場企業はグローバル経済の中で活躍している」といったイメージを持っているものの、海外市場で稼いでいる企業が多いのはTOTOや安川電機を生み出した北九州市だとも指摘する。

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