アイナックシステム 収穫ロボットでいちご農家の働き方を変える

福岡県の特産品である「あまおう」は国内外で人気のブランドいちごで、価格・需要ともに上昇し続けている。だが、高齢化が進む生産地では作付面積が減少。アイナックシステムは農家の人手不足や重労働の負担軽減のため、いちご自動収穫ロボット「ロボつみ®」を独自開発。2023年3月に受注を開始予定だ。

稲員 重典(株式会社アイナックシステム 代表取締役)
試験農場でいちごの手入れをする稲員氏

いちごの生産現場の
「負の連鎖」を断ち切りたい

福岡県筑後地方の矢部川と筑後川の流域には、肥沃な土壌に恵まれた田園地帯が広がる。また、重化学工業が盛んな大牟田市や、大川家具の生産で知られる大川市、水の都と呼ばれる観光地の柳川市などを有する。

アイナックシステムは、筑後地方最大の都市である久留米市に本社を置く、FA(ファクトリーオートメーション)制御技術を提供するベンチャーだ。代表取締役の稲員重典氏は、工業高校卒業時から起業を目指し、転職を繰り返しながら工場の保守管理や半導体製造装置の開発、営業職など、起業に必要な技術やノウハウを身につけてきた。

「創業したのは2008年5月です。自身が得意とする半導体製造装置の制御システム開発業務から始め、業界・業種を問わないコンピュータ制御技術で生産工程の自動化を図るFAシステムへと事業を拡大し、売上を順調に伸ばしてきました。2011年には農業の自動化システムの開発も始め、ビニールハウス用の潅水制御盤や大規模農場用の潅水システムなどを提供してきました」と稲員氏は語る。

現在同社が開発に注力しているのが、いちご自動収穫ロボット「ロボつみ®」だ。2022年3月に「ロボつみ®」の試作機を第5回関西農業Weekに出展し、初めて実演デモを行ったところ、想像以上に大きな反響を得たという。

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。

  • 記事本文残り74%

月刊「事業構想」購読会員登録で
全文読むことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!

初月無料トライアル!

  • 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
  • バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
  • フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待

※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。