清本鐵工 多角化で培った総合力により、新たな価値を創出
鉱山機械の修理事業から発展し、現在は多角化により多様な事業を展開する清本鐵工。近年は特に「食」「環境」「エネルギー」「インフラ」の4領域に注力しながら、バイオマス燃料事業などの分野にも進出。これらの経営資源を組み合わせた総合力により、新たな価値の創出を目指している。
苦い経験をもとに、特定企業に
依存しない多角化を目指す
1937年に創業した清本鐵工は当初、延岡市の槇峰鉱山で使われる鉱山機械の修理などを手がけていた。創業4年後には、延岡市を創業の地とする大手総合化学メーカー、旭化成から協力工場の指名を受ける。以降、旭化成のグループ会社も含め、そこで使われる機械部品の製作や修理などを担うようになった。1959年には佐賀県武雄市の鋳鋼会社を買収し、少しずつ事業を広げていった。
旭化成の企業城下町として繁栄を遂げてきた延岡市だったが、1970年代以降、繊維不況が襲うと、たちまち町全体の産業が苦境に陥った。清本鐵工も例外ではなかったという。
「当時、100人ほどの従業員を解雇せざるを得なかったようです。苦労を知る父は、従業員を解雇しない会社になるためには特定の会社に依存せず、取引先を多様化していかなければならないという思いを強くしたと聞いています」と社長の清本邦夫氏は語る。
その後は多角化をキーワードに、金属加工や鋳鋼技術などの強みを活かし、船舶やインフラ設備、産業機械などに事業領域を広げてきた。特に食品機械の分野では1997年、他社に先駆けて過熱水蒸気調理装置「スーパーオーブン」を開発。また、型に原料を流し込んで成型する飴の製造機械では、国内シェア8割を占めている。
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