一平ホールディングス 一つの島としての「九州」を世界に売る

宮崎市の下町にあった一軒の寿司屋を原点とし、現在地域商社として大きな発展を遂げている一平ホールディングス。地域のリソースを掛け合わせたユニークな商品を生み出し、九州ローカルのものづくりを世界に届けることを目指している。社長の村岡氏に、これまでの歩みと今後の事業構想を聞いた。

村岡 浩司(株式会社一平ホールディングス 代表取締役社長)

一軒の寿司屋から九州の広域地域商社へ

九州産の原材料のみで作られた「九州パンケーキミックス」を筆頭に、九州産素材を用いた様々な健康志向の加工食品を開発している一平ホールディングス。顧客体験の場としての「九州パンケーキカフェ」も国内外に7店舗展開するなど、新たなスタイルの六次産業化モデルの確立に取り組んできた。

「九州パンケーキミックス」。大分県産小麦、宮崎県の合鴨農法で育てられた発芽玄米、長崎県雲仙のもちきび、佐賀県の胚芽押麦などを使用

一平ホールディングスの原点は、宮崎市の老舗寿司屋で、「レタス巻き」発祥の店として知られる「一平寿し」だ。同店は2000年代に郊外開発が進む中、多業種展開を目指して、宮崎県を中心にカフェやレストラン事業にも進出した。

ところが、2010年に宮崎県を中心に家畜伝染病の口蹄疫が発生。それにより県内に移動制限がかかり、観光客も減少したため、経営上大きなダメージを受けた。それを契機に、飲食業に依存する体制から脱却すべく、食品開発を開始したという。

「現在は飲食店経営を担う株式会社一平と、食品製造・流通を担う株式会社九州テーブルを中心に、飲食店とものづくりを事業の2つの柱としています。寿司屋を営んでいた父から受け継いだ『地域に愛される新しい食文化を作る』という想いが、私の代で『九州の魅力を世界へ届けたい』という夢に発展しました。そして現在は、『世界があこがれる九州をつくる』という理念にたどり着きました」と二代目社長の村岡浩司氏は語る。

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