魅力的な職場へ男性育休支援を開始 建設業界の文化・風土を変える

今も「男性社会」のイメージが強い建設業界で、男性の育休取得推進をはじめとした積極的な働き方改革に取り組んでいる野原ホールディングス。男性にも女性にも働きやすいだけでなく、魅力ある業界になるための舵取りが、持続可能性の鍵を握る。

野原 弘輔(野原ホールディングス 代表取締役 兼 グループCEO)

建設産業の成長は、人口や世帯の増加数に比例する。少子高齢化の日本においては、まずピンチに直面する分野といえる。「建設業界はこれまで日本の経済発展を支え、その中で当社の事業も発展してきました。しかし過去約20年、業界の成長は止まっています」と危機感を口にするのは、野原弘輔氏。野原ホールディングス(HD)の代表取締役兼グループCEOだ。日本の人口減に歯止めがかからない今、建設業が抱える課題は、業界の内外を問わず認識されるようになっている。

建設産業 就業人口の推移予測


野原HDによる建設産業の就業人口推移予測。2050年にはピーク時の半分以下になる

出典:以下の資料をもとに野原ホールディングスで作成
経済産業省「未来人材ビジョン」内の労働需要の推計(2022年5月)
国土交通省「最近の建設業をめぐる状況について」(2021年10月)
厚生労働省「産業別就業者数の見通し(労働力需給推計)

 

人手不足への危機感が変革に力を注ぐ

野原HDグループは建築資材を扱う商社を中心とした企業グループ。1598年、現在の長野県飯田市で商いを始め、第二次世界大戦後に東京に進出。戦後復興に欠かせない建築資材を扱い、発展を遂げた。2017年、建築資材事業や建設工事事業などを行う、国内外の様々なグループ企業を傘下にまとめ設立されたのが野原HDである。

世の変化を的確に捉えながら成長を続けた長寿企業も今、かつてない社会の変化に直面している。その1つが出生数減による若者人口の減少。それに伴い、人材の確保は困難になり、採用競争は激化している。加えて、建設業界は現在でも「男性社会」のイメージが根強く、万人にとって働きやすい職場とは受け取られてはいない。建設業界に属する企業として、このようなイメージを払しょくし、男女両方にとって真に働きやすく、かつ魅力ある場所にならなければ、成長どころか生き残りさえ難しくなる、と野原氏は考えている。そこで、様々な制度を設け、働き方改革の取り組みを開始した。

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